『博士の愛した数式』
小川洋子『博士の愛した数式』(新潮文庫)を読みました。
博士はチャーミングです。まぁ好きか嫌いかと問われたら、好きな小説です。
んーでもなにか物足りないんだよな。
私としては、せっかく数学をテーマに物語をつくるなら、もっと数学の面白さや美しさを具体的にストーリーに絡めてほしかった。
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野球選手の背番号「28」が完全数だとか、時計のシリアル「284」と誕生日「220」が友愛数とか、そんなのは唐突にとってつけたようなもの。そんなエピソードはあってもなくてもストーリーは変わらないと思う。博士が気づいて口に出すか出さないかだけの違い。
そうではなくて、せっかく取り入れるなら、たとえば…
友愛数を物語に取り入れるなら、例えば銀行の受付番号札が「220」と「284」の博士と夫人が出会うとか。
「28」の封筒を開けたら、欲しかった野球カードが入ってたとか。
その数字に出会ったことによって後のストーリーが劇的に変化していくほうがおもしろいと思う。
あと、友愛数とか完全数とかそんな専門めいた言葉を使わなくても、もっと分かりやすい数字を使って、博士のキャラクターや生活ぶりを文学的に表してほしかった。
たとえば、博士の言葉は数学だというくらいなら、割り切れない思いを「割り切れない」とかけて「100÷3」を口癖にするとか。
博士に三平方の定理を入れたサンドイッチを作ってあげるとか。
博士のコレクションカードの完璧さを黄金比で表すとか。
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んーなんだろ、数学の美しさは日常生活の中にあふれてるし、詩的な美しさも持ってるんだよってのを、具体的かつ必然的にストーリーに入れてほしかったというのかなぁ。
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